豆知識・豆情報

質素な結婚式・披露宴が多かった

 今でこそホテルや式場で結婚式・披露宴を挙げるカップルが増えたが、質素ともいうべき結婚式・披露宴を挙げるカップルがほとんどだった時代がある。

 そういう場合の手順は、まず新郎側が新婦側の実家を訪ね、仏前で杯を交わす。このあと、新婦側が新郎側の実家を訪ね、やはり仏前で杯を交わす。沖縄は祖先を敬い、大変大切にする。いろいろな行事や節目を仏壇の前で過ごすのはよくあることなのだ。

 結婚式・披露宴も仏壇の前で執り行い、祖先にご報告し、見守ってもらうということだろう。沖縄の結婚式・披露宴は仏前結婚式であり人前結婚式でもあったのだ。

 新郎側の実家での儀式のあと、近くの公民館に移動する。公民館なら費用が安くて済む。引き出物を用意しない場合もある。新郎新婦だけの力で開くのだから、堅実にできる範囲内でいいのだ。公民館に仕出し弁当を運んでもらい、ざっくばらんな披露宴が開かれる。このような手づくり感あふれる結婚式・披露宴がかつては多かった。

楽しみは余興

 沖縄の結婚式・披露宴で一番の楽しみは余興である。余興に出るために結婚式・披露宴に出るという人もいるほどだ。

 特に職場の同僚が結婚する場合は、その職場が一丸となって余興をしたりする。余興の準備のために職場全体が仕事を早めに切り上げるのもよくある。中には「余興に参加することに意義がある」と言う人もいる。まるでオリンピックである。

 余興の練習が楽しみというより、余興の練習にかこつけてみんなで集まってお酒を飲んだりワイワイ遊んだりするのが楽しいのだという説が幅広く指示されている。

三線と琉球舞踊

 沖縄の結婚式・披露宴に三線と琉球舞踊は欠かせない。家族や親戚の中には1人や2人は三線を弾くことができる人がいる。そういう人が三線を演奏してくれるし、余興に引っ張り出してもらいたいからという理由で三線を習っている人もいる。各地に三線教室があり、老若男女が練習している。

 琉球舞踊は難しい。それでも、各地に琉球舞踊の道場があり、女性が習っている。「下手でもいいから身内や親戚が踊るものだ」ということで、例えば兄の結婚の2カ月前に妹が毎週2回稽古に通って、本番で披露したというようなことが普通にある。

 本土では披露宴の最中に出席者や親が酌をして回ることが多い。一方沖縄の結婚式・披露宴では余興が目白押しなので、酌をして回るタイミングが難しい。このサイトで紹介した結婚式・披露宴では、本土からやってきた新郎の友人が「酌に回ろうと思っていたのに、最後まで舞台が途切れないから、とうとう席を立てなかった」と言っていた。こういう場合は酌に回らなくていいということだ。自分の席でゆっくりと余興や食事、会話を楽しめばいいのである。

大人数

 沖縄での結婚式・披露宴の特徴の1つは、招待客が大勢いることだろう。100人くらいは当たり前、200人や300人という規模もある。招待する人の数が600人になってしまったため、昼と夜にそれぞれ300人ずつの結婚式・披露宴をしたカップルもいる。

 新郎新婦がそれぞれ職場の知り合いを呼ぶ。父親母親も友人を呼ぶ。人間関係が濃密な地域では実家の近所の人も呼ぶ。こうして招待客の人数が膨れあがってゆく。

 沖縄で暮らしていると結婚式・披露宴に招かれる機会が多い。そのたびに数万円のご祝儀を出していると大変つらい。そこで、本土に比べるとご祝儀はかなり低いことが認められている。

親も高砂に並ぶ

 沖縄の結婚式・披露宴では、高砂に新郎新婦と仲人のほか、新郎新婦の両親も並ぶことがある。沖縄は親を大切にする風土があるので、両親も壇上に上げるのかもしれない。ただ、最近は本土のスタイルが沖縄に入ってきており、新郎新婦の両親が高砂にあがる光景は減ってきたと言われている。

沖縄の結婚式・披露宴

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